さて、前回から会長のグレ釣り講座が始まりました。
参考書は本当に基本の部分でしか無いですが、
最初は全て頭に入れ、それから試し、自分に合うもの・合わないものを
ふるいにかけてください。
それではサクッといきましょう。
「昔はな撒き餌は魚を足元に寄せるためだけの寄せ餌やったんよ。でも今は違う。
魚を撒き餌で寄せて、どれが撒き餌でどれが刺し餌かわからんようにせな釣れん。
その為には撒き餌がどこにあるかわからないかんし、刺し餌を正確に持っていかな釣れんのよ」
「オキアミのことをどれだけ知っているだろう」
〇オキアミだけを原形のまま撒く
松田の撒き餌は特徴がある。
まず、オキアミしか使わない。配合はほとんど混ぜない。
次に、オキアミは出来るだけ原形のままで使用する。削ることも潰すこともしない。
そして、3番目に、極力小粒のオキアミを選ぶ。
そのどれもが松田なりの理由がある。以下、それを説明しよう。
配合を加えると、どうしても撒き餌が固まり、広くバラけさせるのが難しくなる。
松田いわく、
「撒き餌は固まりで投入するより、広くバラけさせたほうが効果は早う表れるな。
配合入れると固まりすぎるんや」
オキアミだけでも点打ちは可能だし、縦打ち・横打ちも自在に投げ分けられる。
また撒き餌が沈みながら流れてゆく先が、配合入りよりは等質だから、推理しやすいことも忘れてはならない。
さらに、いくら良い匂いをさせても、配合は所詮、粉でしかない。
匂いも味も兼ね備えた実体には及ばない。
配合無しで遠投もする。
そのときは、尺いっぱいにオキアミをすくい、バッカンの内側に押し付けてこする。
それを2.3度やると粘りが出て、遠投が可能になる。
ただし、大粒のオキアミでは難しい。
原形のまま撒くのは、頭に溜まった空気を抜かないようにするためだ。
理由は後述する。
それともう一つ、グレがそれを好むからー松田はそういう。
「釣ったグレの腹を開いてみるとな、頭から尻尾まで綺麗なままのオキアミばっかり入っとるんや。あいつらはそのほうが好きなんやろうな」
最後の小粒を撒く理由は、1尺に入る五体満足なオキアミの数が多いからだ。
大粒なら1尺に20匹しか入らないが、小粒なら40匹入るとしたら、
撒き餌と刺し餌がはるかに合わせやすくなる。
〇オキアミが沈む速度は条件次第
ウキ下を3ヒロに設定すると、ハリスが斜めになるから、刺し餌は水深3ヒロよりも浅いところを漂う。ここでは分かりやすくするため、仮に2ヒロ半としておこう。
そうなると、撒き餌のオキアミが2ヒロ半まで沈んだ時、刺し餌と同じ水深になる。
あとは、平面的な位置を修正すれば(これがまた難しいのだが)、刺し餌とピッタリ合うことになる。
問題は、水面に撒いたオキアミが2ヒロ半まで沈むのに、どれだけの時間がかかるかにある。
それが分かれば、その時点でどこまで流されるか、ある程度は予想できる。
しかし、これが難しい。
オキアミが沈む速度は条件次第でコロコロ変わる。
松田によると、まずその海の塩分濃度による。
塩分が濃いとオキアミはなかなか沈まない。
水温も関係する。
水温が高いほど潮が軽いから、オキアミはゆっくりとしか沈まない。
水温が低いと潮が重い。したがって、オキアミは速く沈む。
流れも影響する。
吸い込む流れがあると、沈むのは速くなる。
まだある。海底が遠浅だと潮が平均して軽く、オキアミはゆっくり沈む。
それが急深だと、潮が重いから、同じ速度で流れていても沈む速度は速い。
また同じ急深でも、流れてゆく先が浅いと潮は軽くなり、オキアミは沈みにくくなる。
さらに、オキアミ自体の個体差がある。
速く沈むものあれば、ゆっくりとしか沈まないオキアミもある。
松田は、磯に上がったら潮を見て、ここぞと思われるところでオキアミを撒いてみる。
それは、このオキアミが沈む速度と、海水の透明度を確認するためだ。
〇オキアミが沈む速度には個体差がある
最後に、オキアミの沈下速度の個体差に触れておく。
冷凍状態にあるオキアミは水分が凍っているため、すべて膨張している。
これを解凍すると、氷が溶けて水になったとき、容積が減り、このとき、オキアミの皮と身の間に隙間ができる。そこには空気が溜まる。
特にエラ~頭の部分に溜まりやすい。
その程度によって沈む速度に差がつき、10種類ぐらいに分かれる。
つまり、空気が溜まったものはゆっくり沈み、あまり空気が溜まらなかったオキアミは速く沈む。
オキアミが沈む速度がみんな同じだとすると、合う時間は少ししかない。
オキアミの比重がバラバラだからこそ、刺し餌と合う時間は長くなり、合わせやすくもなる。
また、早く沈むオキアミと遅く沈むオキアミがあると、魚は浮きやすくなることも無視できない。
配合を加えてかき混ぜるとオキアミが潰れる。
その結果、オキアミの比重が均一化して、沈む速度も似てくることを松田は嫌う。
ー松田稔のグレ釣りバイブル・釣ってなんぼや! 1997年出版より引用ー
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BBK (月曜日, 02 12月 2019 12:40)
全ての記事読ませてもらいました!
全誘導の釣りが主な私にとって、釣りに対しての価値観がガラッと変わるものでした。ここで書かれていることは基本だと思いますが、私は基本すらできていないんだ、と気づきもっとできる事がある事に気づきました!記事を書いてくださりありがとうございます!
有限会社エムアンドエム (月曜日, 02 12月 2019 12:58)
BBK様
コメント有難うございます。
このようなコメントを頂きとてもうれしく思います。
ブログを書いて来て良かったと思います。
これから、たくさんの魚を釣って頂きたいと思います。