撒き餌と刺し餌が合わないと、今のグレは釣れない。
それは分かってもらえたと思う。
では、次の段階として、具体的にどうすれば撒き餌と刺し餌を合わせることができるか
という説明に移ろう。
「根本的にいうとな、撒き餌の方が速く流れるんや。
だから基本的に撒き餌は仕掛けの後ろに入れる」
「流れるのが速い撒き餌に追いかけさせる」
〇撒き餌の方が速く流れる
現状を見る限り、撒き餌の投入点をはっきりさせている釣り人は少ない。
なんとなく足元に、その辺りへ適当に、とにかくウキの頭に、、、。
そんな釣り人が大半のように思える。
なぜそこへ撒き餌を入れるのか尋ねても、明確な答えは返ってこない。
当然、頭の中ではっきりしたイメージも出来ていない。
その彼らに突然、撒き餌と刺し餌を合わせなければならないといっても、
具体的な方法が全く分からない。
どうすれば、分かりやすく説明できるだろう。
松田はこう言った。
「基本的に撒き餌は仕掛けの後ろに入れる」
同じ水深で同じ流れに乗っているとしたら、鈎もハリスもウキもない撒き餌の方が
鈎もハリスもウキも引きずっている刺し餌より速く流れる。
したがって、同時に同じところへ投入すると、撒き餌の方が速く流れるから
仕掛けが馴染んだ時には先に行ってしまい、刺し餌とは外れている。
だから慣れるまでは、特に潮が速いときは、必ず仕掛けの後ろに打つ。
それも、仕掛けがピシャっと張ってから。松田はそう言った。
「でないと、先に撒き餌が流れると、グレはそっちに行く。それでは絶対に食わん。
よっぽどグレの数が多くない限りはな」
逆に、食わないようにしているのと同じとも付け加えた。
〇撒き餌を上から下までつなぐ
よっぽどグレの数が多くない限りはなー松田のこの言葉に、グレ釣りの現状を垣間見る思いがする。過去において、少々狂っても食っていたのは、やはりグレの数が多かったからなのだろう。
しかし、今はそうではない。
撒き餌が通り過ぎたあとから刺し餌が流れてきても、グレは刺し餌を食わない。
ウキ下と撒き餌の位置をちゃんと計算できているときは、すぐその事実に気づき、修正してやり直す。
ところが、釣り始めて間もないときは、まだ計算できてないことが往々にしてある。
ウキ下も、2ヒロか2ヒロ半か、それとも3ヒロかが分からない。
そのときは、撒き餌を上から下までつないでしまう。
浅ければ、2、3回打つと撒き餌はつながる。深ければ4回、5回と増やす。
それで釣れなければグレはそのタナまで上がってきてないし、
数も少ないのは間違いないと判断する。
そしてウキ下を深くする。
ただし、ウキ下が深いと、撒き餌がそこまで沈むのに時間がかかる。
その時は先に撒き餌する。すると合う時間が長くなる。
〇どこで合わせてもエエわけやない
刺し餌と撒き餌を合わせないとグレは釣れないのなら、とにかく刺し餌と撒き餌を合わせさえしたら、グレはいくらでも釣れるのか?
逆も真ならず。
垂直方向で考えれば、それは分かりやすい。
グレが3ヒロまでしか浮いてこないのに、いくら1~2ヒロで合わせても釣れるはずがない。
水温が下がってグレの活性が落ちると、住み家からいくらも出てこない。
そうなると、グレの住み家に近い4ヒロ下、5ヒロ下で合わせないといけないのは明白だ。
水平方向にもそれはいえる。
いくら撒き餌が流れているからといって、グレの住み家があるシモリから5mも10mも離れたところを流しても意味がない。グレはシモリから2mも出ていかないのだから。
海底の様子が分からず、グレの住み家がどこにあるか全然わからないのなら、手前から順に探ってゆくしかないだろう。ウキ下を深くしながら、それでも刺し餌と撒き餌を合わせることは欠かせない。
潮目にしてもそうだし、流れがカーブする地点もそう。
グレのポイントと思しき地点を攻めたいのなら、必ずそこで合わせなければならない。
〇松田の杓使いには様々なパターンがある
潮が横に流れているときは、撒き餌を仕掛けの後ろに横撒きする(オキアミだけの撒き餌ならそれがやりやすい)ただし、刺し餌が左右に振られるときは、縦撒きの方が合わせやすいといえる。
そのほか、風が強いときは杓を低い位置で振ったり、オキアミを固まりにして投入したりする。
※見えづらい画像で申し訳ございません
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