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答えを出すために撒き餌に保険をかけるんや

先日無事『伝心伝承200回』放映されました。

皆様のおかげで約16年続けてこれた番組。

正直言うと月一番組というのは毎月必ず撮影をし、番組を仕上げるのですが、

釣りは自然が相手。予定していた釣行が叶わなかったり、状況により全然釣れなかったり。

でも、会長はそれが釣りだと。釣れないところも放映してほしいし、なによりも見ている人に釣りを少しでも好きになって欲しい。という気持ちをもって続けてきました。

あとどれくらいこの番組を続けていけるかは正直わかりませんが、

これからも釣りは楽しくおもしろく。楽に楽に。

 

さて、前回ブログにて撒き餌の保険についてお話ししました。

前回のブログはこちらをクリック!

今回は前回の続き。グレの撒き餌について具体的にお話します!


「より楽に、一秒でも早くグレに食わすために」

 

〇グレが食ったら撒き餌を省く

 

撒き餌の保険とはどういうことかを、大まかに説明したところで、具体論に入ろう。

図①のような状況だったとしよう。

右後方から左沖へ速い潮が走っている。

それが100m先でカーブしており、グレはそこでヒットする。

足元にはオセンを中心としたエサ盗りが多い。

こんなときは通常の攻め方をする。(ただし、潮が速いと、松田は先に撒き餌を入れて、仕掛けはその後ろに投入する)

ところが、表層から下層まで同じ流れ方をしているかどうかは分からない。

速く流れているのは表層だけかもしれないし、グレのタナまでは同じ流れ方をしているかもしれない。それを知る為に保険が必要になる。

足元にエサ盗り用の撒き餌をしたあと、Aに撒き餌を入れて、仕掛けはその5m後方(潮上)に投入する。これが、ピッタリ計算できたのだったら、保険は必要ない。

だから、撒き餌はAの1回だけでいい。

しかし、分からないから、その前のBと、後ろのCにも撒き餌をする。

それで、100m先のヒットポイントで食ったとしたら、今度は余分な撒き餌を省く。

Cを省いて、AとBにだけ撒き餌して食わなかったら、下の流れもかなり速いと判断する(仕掛けが撒き餌に追いつけなかったから)

そこで、今度はBとCにだけ撒き餌をする。それで食ったらB、またはCを省く。

このようにして、最終的には1回だけに絞る。

これが松田のいう保険であって、最後には必ず答えを出す。

〇潮が緩いときは仕掛けを囲む

 

図②は潮が緩いケースで、右へトローっと動いている。

こんなときは、仕掛けを投入したあとで、ウキの上のA、またはその少し後方のBに撒き餌を打つ。それで食わなければ、グレが少ないか、それとも餌が合ってないという2つの考え方ができる。

潮が緩いのだから、ウキ下がそんなに深くない限り、撒き餌と刺し餌を絶対合わせているはずだと判断できたなら、確実にグレの数が少ないといえる。

その場合、次は、仕掛けを囲むようにC、D、Eと撒き餌を打つ。

それで食うか食わないかを確かめる。

極端な場合は、仕掛けよりもずっと前方のFに撒き餌しないと合わないこともある。

それで食ったとしたら、やはりどこかを省いていく。

また、風が強くて仕掛けをコントロールできない時、Gだけで合わせる自信がなければ、

H、I にも撒き餌をする。撒き餌が流れるコースと仕掛けが流れるコースを交差させることは前述したが、これも保険になる。

G、H、I の撒き餌で釣れたとすれば、やはり次はいずれかを省き、最後は1回に絞る。

〇保険をかけたやつを追いかける

 

「釣りは大方が保険やぞ」

前回ブログで、松田はこう言っている。

実際に磯に上がってみるまでは、エサ盗りが多いか少ないかはわからない。

もし多ければ、撒き餌が少ないとどうしようもない。

だから、たくさん持ってゆく。

エサ盗りが少なければ、使わずに持って帰ればいい。

これも保険になる。

エサ盗り用の保険もある。

オセンが多いときは、グレ用の撒き餌投入点へ先に撒き餌を打つ。これも保険になる。

刺し餌を守るための保険だ。当然、ウマズラから守るための保険もある。

このように、松田は、刺し餌を守るための保険、釣るための保険、10分したら効果が出る保険、30分したら効果のある保険と色々ある。

撒き餌の保険に関しては、松田の考え方としては、常に保険をかける。

不確定要素が多い中で、なおかつ松田は魚の動きをコントロールしようとする。

ここで食っている奴を、そっちやあっちで食わせようとする。

そのために保険をかけて、その保険をかけた奴を追いかける。

そして、答えを出し、こんなケースでこうしたいときは、ここに撒き餌をしたらいいという事実を次々に積み重ねてゆく。

 

神様の境地に達するには、道は遠く、険しい。


ー松田稔のグレ釣りバイブル・釣ってなんぼや! 1997年出版より引用ー

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コメント: 2
  • #1

    マミー (木曜日, 03 10月 2019 21:18)

    『伝心伝承200回』おめでとうございます。
    16年間、毎月撮影編集を続けてこられたのは大変だったでしょうね。
    エムアンドエム様も毎月毎週釣り講座ブログを丁寧にわかりやすく続けていらしてますね。
    釣りを少しでも好きになって欲しい。という気持ちは同じように伝わってきています。
    日本語以外にも翻訳なされていて幅広く伝わってほしい気持ちも凄く伝わってきます。
    撮影もブログも大変でしょうが、これからも伝える事の大切さを続けていってくださいね。

  • #2

    有限会社エムアンドエム (金曜日, 04 10月 2019 11:06)

    マミー様

    コメントありがとうございます。
    16年間大変だったと思います。
    あっという間の16年間だったかもしれません。
    釣り講座ブログを通じてよりたくさんの方に釣りを好きになって頂きたい。
    釣りについてたくさんの方にたくさんの事を知って頂きたい思います。
    これからも、たくさんの方に伝えて参りたいと思います。