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とっておきの最後の手段、それが松田流沈め釣り

会社の干支の飾り物が夏仕様から秋仕様に衣替えです。

気が付けば11月になっていました。早いですね。

さて、それでは磯シーズン到来!今年は色々な場所から良い釣果情報を聞いています。

嬉しいですね。

弊社も少しでも釣り人のお役に立てれば、ということで会長のグレ釣り講座いきましょう!

前回のブログは深ダナを攻めるときの基本テクニックでした。

前回のブログはこちらをクリック!

本日は松田流沈め釣りです。


「メリットは多いが、安易に飛びついてはいけない」

 

〇上層から下層まで釣りたい

 

水温が下がるとグレの活性が落ち、行動半径が非常に狭まってくる。特に今どきのグレは、自分にとって都合のいいところで食ったら、次はもう出てこない。

同時に、1尾目を釣って、次の2尾目を釣ろうとしたら、もうタナが変わっていることが多い。

条件が悪くなると、一日中タナが変わりまくる。深場に絞っていると、突然浮いたりもする。

今はそんな傾向にある。

そうなると、上から下まで狙いたくなる。しかし、上層は合わせるのが比較的たやすいが、下層は障害物が多い関係で、何度も言っているように流れの変化が激しく、撒き餌と刺し餌を合わせるのが非常に難しい。

これを簡単(でもないが)に釣る方法として、沈め釣りがある。

自然解凍したオキアミは、十種類ぐらいの比重に分かれることは前に触れたとおりだ。

そのうちの、ちょうど真ん中辺りの比重を持つオキアミと同じ速度で沈むように、ウキの浮力を調整する。

松田は、速く沈むよりも遅い方がいいといった。

釣り場によって潮が違うし、塩分も異なるから、それに伴ってウキの浮力は変わる。どこへ行っても同じというわけにはいかない。だから、そのたびに自分で調整する必要がある。

そのためには、いろいろなサイズのガン玉を準備しておく。3号から7号程度までは欲しい。

とりあえず風呂やガラスのコップで大まかな調整をしておきたければ、ぬるめのお湯で試す。

海水は塩分があるから、真水より浮力が強く、それがぬるま湯と同じくらいになる。

〇少しずつ撒いて帯を作る

 

撒き餌は、やはり少量ずつが原則になる。

慣れるまでは1回当たりの量を減らし、回数を増やす。1尺にオキアミが100匹入るとすると、10匹ずつ10回撒く。

極端に言うのなら、1粒ずつ撒いた方がいい。だが、そんなことは現実にはできないから、とにかく小さい尺でチョビチョビと撒く。

潮がゆっくり流れていたら、同じところにずっと撒く。すると、撒き餌が繋がって帯になる。

それを一回ですませようとすると、固まりになって、刺し餌とは合いにくくなる。撒き餌の回数を増やせば増やすほど、刺し餌と合う確率は高くなると思って欲しい。

ただし、撒き餌の全体量が増えると、グレは飽食状態となり、ますます活性が衰える。

このパラパラ撒いたオキアミの中には、軽いものもあれば重いものもある。速く沈むオキアミは、磯際から出てくるグレに効果がある。ゆっくり沈むオキアミは、沖のシモリから出てくるグレにアピールする。また、グレだけでなく、真鯛やヘダイ、フエフキにも効果を発揮する。

〇2ヒロから海底まで合う

 

これでどんな状態になるかというと、ウキ下を2ヒロに設定していたら、最初はそのタナで刺し餌と撒き餌が合う。

ウキは撒き餌のオキアミと同じ速度で沈むように設定しているから、撒き餌が沈むにつれて、仕掛けも同じように沈んでゆく。

このとき、ベールは起こしておき、指先で道糸を送りながら、止めては沈め、止めては沈めることを繰り返す。最終的に、撒き餌が完全に沈んでしまうまで、仕掛けもそれをトレースする。水深があればあるほど、探れる範囲は広くなる。また、潮が緩ければ緩いほど、探る時間は長くなる。

ただし、刺し餌より撒き餌の方が流れるのは速い。撒き餌には鈎からウキ、道糸に至る付属物がないからで、流れる方向がかすかに変わっても、それに敏感に反応する。

いくらウキの浮力を殺してもとはいえ、刺し餌はそこまで敏感にはなれない。

だからこそ、撒き餌を帯にするのだし、潰さずに自然解凍したオキアミの比重のバラつきが、多少の誤差をカバーしてくれる。ウキが見えなくなるまで沈んだら、アタリは穂先でとる。

〇沈め釣りの2つのメリット

 

この釣り方には2つのメリットがある。1つは、鈎からウキまでが常に張れているから、魚がくわえても抵抗が変わらず、途中で離すことがない。

この問題は詳しく後述するが、特に活性が低い魚の場合、エサをくわえて、食い込むまでの間に抵抗が変わると、エサを離すケースが多い。

だが、止めては沈めることを繰り返しながら沈めるこの釣り方だと、仕掛けは常に張れているから、その心配はなくなる。

2番目は、風の抵抗を受けにくいことにある。ウキがポコポコと浮いていると風の抵抗を受けるし、表層流の影響からも免れない。

すると、撒いた餌とは異なる方向へ向かう。遠くへ行けば行くほど離れるから絶対釣れない。

ウキを水中に沈めていると、この抵抗がものすごく小さくなる。だから、撒いた餌とは離れにくい。

このように見てくると、なにもかも結構づくめのように思える。

しかし、松田の信条である「1秒でも早く食わせる努力」とは大きくかけ離れてしまう。

グレのタナが分かっているのなら、それにピシャっと合わせたほうが、勝負ははるかに早い。

グレのタナを正確に知るのも、松田のいう努力の一つだし、それを積み重ねることが上達のステップだと、これまで繰り返し主張してきた。沈め釣りはあくまでも、後の手段。

他にどうしようもないときの奥の手だということを肝に銘じておいてほしい。


ー松田稔のグレ釣りバイブル・釣ってなんぼや! 1997年出版より引用ー