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ブリ釣りをすれば仕掛けを斜めに張る理由が分かる

皆さん大変お待たせしました。

3か月ぶりの会長の釣り講座。なかなか更新できません!

今月の会長の釣りビジョン番組『伝心伝承』はご覧になられましたでしょうか?

あれ??会長と言えば尾長釣りでしょ。船釣りって、、。なんて思われる方も多いとは思います。

そこで今回はあえてこんなテーマで会長の釣り講座を始めたいと思います。

 

グレ一筋という人が少なからずいる。磯釣りしかやらないという人はもっと多い。

そんな人たちは得てして船やアユ、ハエ釣りに対して興味を示さない。だが松田は警告する。

一つの釣りしかやらないと発想の転換ができないと、、、。いろんなジャンルの釣りを経験すれば応用ができると、、。

前回の講座はスピニングリールの開発秘話から糸を出すときはどんな時か、また何の為に?でした。

気になる方はこちらをクリック!

では今回はこんなテーマで会長の釣り講座始めましょう。


「呼び水という高度な撒き餌テクニックもある」

〇魚種は違っても魚は魚

 

グレを釣るときもチヌを釣るときも、こうしないといけないというものはない。これは何の釣りに対しても言える。松田は一貫してこう主張してきた。

刺し餌が先で、ウキは必ず後ろを流れなければいけないこともない。

グレ釣りしかしないと、そんな考えにとらわれがちになる。つまり1つしか見えないと、それしか見えないようになる。だから松田はいろんなジャンルの釣りをしろと言う。

自身もあらゆる釣りを経験している。サーフの会長もやった。手のひらの上に何尾乗せることができるかを競うタナゴ釣りもした。そんな下地があるからこそ、今のグレ釣りがあるのだといえる。

「ほなけん、いろんな釣りをせんとな。そのとき、魚は魚であって、グレも同じという考え方をする。行き着くところは一秒でも早く食わせることや」

松田がこう言うように、魚はどこまでいっても魚であることを皆忘れてしまっている。グレもチヌもハエも鰤もみんなひっくるめて魚なのだ。ただ、習性がちょっと違うだけにすぎない。

その色々な習性を持つ魚に対して人間は色々な釣り方をする、しかし本質は同じだから、共通する部分は多い。また釣り方が違っている事から他の釣りに応用できるところも少なからずある。

〇撒き餌が沈む角度に仕掛けを合わせる

 

ウキ釣りと言っても様々な分野がある。グレ釣りもチヌ釣りもハエ釣り、タナゴ、ヒラマサ、更には船の鰤釣りもある。単にウキが大きいか小さいかの違いだけであって、根本的な部分は変わらない。

図は、鰤のカゴ釣りの場合で潮が速い時はハリスを長くしないとカゴから出た撒き餌とは合わないことを表している。船釣りではこんなとき4ヒロも5ヒロもハリスをとる。オキアミは、真横近くに流れるからハリスを長くして潮の抵抗を受けさせ、同様に真横近くにたなびかせる。

このときハリスが短いと潮の抵抗をあまり受けないからたなびかず、撒き餌とは合わなくなる。

反対に潮が緩い時はハリスを短くする。でないと、長いハリスはオキアミより潮の抵抗を受けるから、若干ながらも斜めになり、やはり撒き餌とは合わなくなる。

鉛の位置を設定する時、ウキ下の長さを決める時、この考え方は参考になる。

撒き餌と刺し餌をできるだけ長い時間合わせようとしたら、撒き餌と同じ流れに刺し餌を乗せなければならないことは、何度も強調してきた。ただ、それは平面的な捉え方しかしていない。

当然それは垂直方向でも考えなければならない。撒き餌が沈みながら流れていくのと同じ角度で仕掛けが傾けば、松田の言う『仕掛け全体を撒き餌で包む』ことが可能になる。

〇呼び水というテクニック

 

松田はアミカゴを開発したし、船のカゴ釣りではいろんなテクニックを編み出し、本職の漁師でも及ばないほどの釣果を上げる。「呼び水」という独特の撒き餌方法もその一つになる。

仕掛けが馴染んだところでカゴの中身を少しだけ出す。これが呼び水と呼ばれるもので、それがハリスの長さだけ流れたところで、ドバっと残りのオキアミを放出する。

呼び水の撒き餌は先に流れ、遠くにいる鰤の好奇心を引き起こす。そして本命の撒き餌まで呼び寄せる役目を担う。

これを松田はエサ取り対策に応用している。先に撒いておいて、グレより動きの速いエサ取りをそちらに寄せる。そして次にグレ用の撒き餌を入れて、遅れて出てくるグレを狙い撃つ。

もともとグレには撒き餌をすると岩陰から出てきてそれを食い、撒き餌がなくなると岩陰に戻るという習性がある。いかに活性が高くても餌が無くなるとすぐ戻る。

潮が悪い時は途中でUターンしたりもする。ただしこれは単純にグレだけの動きしかとらえてない。現状はグレ以外の魚も多い。エサ取りと呼ばれる厄介な小魚たちだ。

エサ取りを追い散らすほどの数は、今のグレに期待できない。常にエサ取りの下でこぼれ落ちるオキアミを拾っている。

つまりエサ取りが食べ残した餌が下の方に沈んだ時、グレは出てくる。グレが登場するのはエサ取りより少し遅れることになる。そのため自分の計算より常に遅く出てくることを知っておく必要がある。

「呼び水」という技はさらに高度なテクニックにも用いられる。

グレしかいないという状況で2ヒロ半まで浮いてきていたとしよう。

この時最初に、呼び水の撒き餌を打つ、そしてその後ろに2シャク、3シャクと少なめの撒き餌を入れて、グレがどこまで上がってくるかを見る。

2ヒロ半に合わせたら釣れるのに、松田はもっと浅くして食わせようと考えるのである。

 

ー松田稔のグレ釣りバイブル・釣ってなんぼや! 1997年出版より一部引用ー